生と死

人間は死ぬが

人間は死を体験しない。

生がか細くなっていき消えるだけである。

消える瞬間に人間の認識も途切れる。

その後の静寂を人間は死と呼ぶ。


生が死になる訳ではない。

秋が冬になる訳ではないとの同じである。

現実に存在するのは生だけであって、死は生がない状態であり実体がない。


生は自然界で特殊な状態であって

人間が死ぬとその体は自然界のより一般的な状態に戻るのである。