似ていて違うもの

他人の経験を聞いて


そういうことが自分にも起こると信じ切ってしまうときがある


そういったとき私は


人生がひどくつまらないような気がして


暗い気持ちになってしまう。


でも


本当に


そうか?


他人の経験は


他人の狭い人生の上で起こった出来事であり、


同じように狭い人生を送っている私に


同じことが起きることがあり得るだろうか?


時間×空間=私たちの世界・人生


である


無限のときがあり


無限のパターンがあるこの広い世界で


狭いものと狭いものが


ぴったり重なることがあり得るのだろうか?


そいつはアリエナイ


と私は言った


スナフキンは言った


ぼくは自分の目で見ないものは信じないが、


自分の目で見たものはどんなに馬鹿げたものだとしても信じる。と


私の人生の通り道にあるものが私の真実であり


あなたの人生の通り道にあるものは私の真実ではない


あなたの真実に遭遇する確率は


驚くほど低く


あなたの人生の出来事が


私の人生に起きることはまずない


同じことが起きたと思っても


それは私たちの脳がささいな共通点を見つけ出し


それを同じものと見なしてしまう


ひどく早とちりでおっちょこちょいな器官だからだ


実際、同じ時間は二度とこないし、同じ空間はどこにもない


∞×∞=∞


である


それぞれのものは似通った他のものにすぎない


私たちはそれぞれ未知の世界を旅しているのだ


私たちはそれぞれ未知の真実を発見しているのだ